ロボット兵士の戦争

 毎年、夏になれば、戦争に関する番組が増えてきます。特に、NHKでは、色々な戦争体験者の話を集め、番組を放送しています。

 自分だけ生き残り、恥をさらして生きていることを悔やむ人や、何故、自分だけ生き残ってしまったのか悔やむ人など、お年寄りの苦痛の表情を見ていると心が痛みます。

 ”生きて虜囚の辱めを受けず”ということを取り上げた昨日のNHKの放送を見ていると、戦後、何十年経っても消すことのできない苦しみを与えたのは誰なんだと思ってしまいます。

 また、アッツ島玉砕をはじめ、幾多の島嶼で玉砕した日本兵として戦った兵士や民間人が、いまだ遺骨もそのままに朽ち果てていることを思うと、悲しみが増すばかりです。

 そして、毎年思うのが、もし、日本が戦争に勝っていたら、このような番組を作っただろうかということです。

 負けたからいけないんだという声が聞こえなくもありません。

 そんなことを思っていた時、今日、本屋さんで、「ロボット兵士の戦争」(P・W・シンガー 著/小林由 香利 訳/日本放送出版協会 刊)という本を見つけ、書いてある内容を見て驚いてしまいました。

 700ページを超す厚さで、さすがに立ち読みではすべては読めなかったのですが、著者の思いを知って共鳴しました。

 根本的には、現在、核や生物兵器などの時代から、遺伝子やロボットの時代へと科学技術を使用した戦争スタイルが大幅に変わるところだという認識をしています。

 私が共鳴したのは、著者が、核爆弾を発明した時、もっと早くから手を打っていれば、核は使用されずに済んだのではないかという思いから、今、劇的に変ろうとしている戦争のあり方、兵器のあり方に関して、特に、無人化を進めていくロボット兵器に関して、先手を打った対策が必要亜のではないかと訴えていル点です。

 この本には、現代の様々なロボット兵器が登場してきます。そして、その進歩の速度が21世紀になって急速に早まっていること、実用化が進んでいることに警鐘を鳴らしています。

 アメリカ国内から遠隔操作でイラクを攻撃する兵士。

 アメリカ兵が殺されるのを見た、直後、自分はPTAに行くということへの違和感。

 空も海も陸も、自分は傷つかずに、ゲームのように、敵とみなす人や物を攻撃していくという事に変わりつつある戦争の姿を描いています。

 著者は、前書きで書いているには、小さいころから変っていて、戦争、特に、戦争史が好きな子であったのだそうです。

 そして、ユーゴスラビアへ行った時に、米軍を退役した軍人たちが民間会社として戦争を請け負っている事に驚いたのだそうです。

 実は、こういった多くの相手が、いわゆる反政府組織の人間であり、それも2/3が子供であるという事実を知ったのだそうです。

 ロボット兵器が、このような苦しい現実に追いやられた子供たちを、ゲームのように射殺していくという恐ろしさを感じてしまいました。

 国防省は、ストレートに開発を依頼すれば、学生などから反発をかうような自動走行車などの技術開発も、単なるコンテストを企画して開発させることで、あたかも兵器とは関係ないような技術競争を行わせ、より進んだ技術を獲得しているのだそうです。

 そういえば、以前、テレビで無人走行車のレースを放映していたのを思い出しました。

 あの裏には、こんな策略が潜んでいたんですね。

 科学技術の進歩が、兵器の進歩に直結していくという怖さ、無意識に兵器開発に貢献しているという怖さを感じてしまいます。

 テロ=悪という、何でもかんでもテロとしてしまえば、少数の人や民族を抹殺してもいいんだという、しかも、自分たちは、お茶の間でゲームを楽しむように他人を殺していくという光景を想像すると、もっと、現代の戦争とは、紛争とな何かを知らなくてはいけないような気がします。

 核軍縮の裏で、着実に進行する、より実践的な破壊兵器による支配の構造を、核だけを問題にすればいい時代ではないということを改めて知らされました。


ロボット兵士の戦争
日本放送出版協会
P・W・シンガー

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