武術「奥義」の科学

 ”武術「奥義」の科学”(吉福 康郎 著/講談社 刊)で、どんな風に奥義を科学しているのだろうかと思って読んでみました。

 著者は、大学の先生で、東京大学理学部卒でありながら、工学系の大学で、スポーツ・バイオメカニクスの分野の研究を行っているんだとか。

 読んでいくと、運動力学というんでしょうか、合気あげなど、ひじを曲げ、握られた手首との距離を短くし、なおかつ、腕を少しひねることで、抑えた側が、まんべんなくすべての指と掌で抑えていると思っても、小指と人差し指でしか抑えていない状態が作れるんだそうです。

 その状態に、少し猫背のように体を前のかがめた状態から、体を起こしながら、肘を上げると相手が転がるんだとか書いてありました。

 家に帰り、早速、子供に手を握って抑えてもらい、似たような事をしたら、確かに、まともに手をあげてときほぐそうとするのと違って、多少、楽にほどけるような感じがしました。ただ、本屋さんでうろ覚え下だけの方法なので、確実ではないのですが。何でも、この肘を出すという事を相手に気付かれないようにすることが大切ということでした。

 あるいは、ボクシングと異なり、頭をよけるのではなく、腰から頭を、スエーさせるようによけさせる中国拳法や、鞘に入った状態で、何故、すでに抜いて構えている侍に勝てるのかという事で、居合の方法など、へ~、そうなんだと思う事が多かったですね。

 特に、合気道で、はたから見ていると、手を離しちゃえばいいのにと思ったりしていましたが、抑える方の人は、固まっているんだそうです。自分では分らないうちに、筋肉が固まってしまっているので、離せないのだそうです。

 それから、赤ちゃんが無意識に、ものに当たるとつかむという習性が、大人になっても、残っているんだとか、例えば、指を一本握らせた状態で、相手を投げる時などは、指でさすることで、自然に、掴んでしまい、離せなくなってしまうんだそうです。

 そんなこんなで、面白く読んでしまいました。

 なんでも、著者の武道体験は60を過ぎてからだそうで、身のこなしの早くなったのを実感しているんだとか。

 やはり、長く続くものには、何か理由があるんでしょうね。


武術「奥義」の科学 (ブルーバックス)
講談社
吉福 康郎

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