宮沢賢治の生き方を心に刻む

 「サライ7月号」(小学館 刊)の特集が宮沢賢治であり、後ろ手に手を組み、地面を眺めている宮沢賢治の姿が、表紙を飾っています。

 ”美と慈愛を言葉で紡いだ、土と信仰の詩人”宮沢賢治を旅するのです。

 巻頭言は『宮沢賢治の生き方を心に刻む』と題し、吉本隆明が書いています。

 僅か数ページの文章ですが、吉本が宮沢賢治に心を奪われていった(?)様子が書かれていました。

 浄土真宗の念仏だけを唱えていればよいという考えに満足できなかった若き賢治は、日蓮宗・法華経に傾倒し、自らを人間を超える”菩薩”として、生活する人々の幸福を願う道を選んだということでした。

 吉本は、ここで、詩人である賢治、学者である賢治などいろいろ思っていたが、最終的には、セイント(聖人)ではないかと思うようになったと告白しています。

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
農民芸術概論綱要

 ここに、争いのない平和を考える賢治の姿を見ています。

 吉本が、賢治の言う”農民”を”生活者”に置き換えてと言う時、生活者の自立を言う吉本の姿の向こうに、賢治の姿が見えるのでした。
サライ 2010年 07月号 [雑誌]
小学館

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新潮社
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