夜と灯りと

 「夜と灯りと」(Clemens Meyer 著/杵渕 博樹 訳/新潮社 刊)という本の表紙が見え、夜と霧を連想しながら手に取ってみました。著者のクレメンス マイヤーさんという方は、全く知らなかったので、”東西統一後のドイツで「負け組」として生きる人間たちの姿”という帯の部分を見て、ベルリンの壁崩壊後の東ドイツに住んでいた人の、その後の暮らしに関する悲惨な情況のドキュメンタリーかと思いました。

 最初の章の”小さな死”という部分を読んで、実は、何が何だかさっぱりわからず、これのどこがドキュメンタリーなんだ! と勝手に思っていました。

 役所に行かなければならない、つまり失業状態で、ハローワークのような所に行かなければならない主人公と女性との絡み。

 電車の音がひっきりなしに聞こえるアパートの、いかにも、落ちぶれた敗残者というような人が住んでいる情景が思い浮かびます。

 しかし、どう読んでも、ドキュメンタリーとは思えないなぁと思いながら、読み進んでいくうちに、小説なんだと分りました。

 東ドイツと西ドイツが一緒になり、地域格差は、今でも続いているようですが、東ドイツに生まれ、社会の底辺で暮らさざるを得なくなった人たちの、やるせない日常が描かれています。

 訳者の方のあとがきで、暗いだけではなく、物語には、希望がみえているのが救いだというようなことが書いてありましたが、私には、どれもこれも、底なしの暗さとしか見えなかったですね。

小さな死
南米を待つ
銃と街灯とメアリー・モンロー
デブは恋してる
犬と馬のこと
夜と灯りと
おれたちは旅する
ヨハネス・フェッターマンの短くも幸福な生涯
川への旅
通路にて
君の髪はきれいだ
老人が動物たちを葬る

という12編からなっています。
夜と灯りと (新潮クレスト・ブックス)
新潮社
クレメンス マイヤー

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