プリントパックの死亡事故

 3月22日に、印刷通販、つまりWEBで印刷物を受注し安価・短納期で仕事をかき集めるという、いま印刷業界の中では目立っている会社の分野なのですが、そのなかでも有名なプリントパックという会社の京都の工場で、従業員が、機械に挟まれ死亡するという事故が発生し、同社のホームページでは、単に”3月22日、弊社内印刷機において不具合が発生し緊急メンテナンスを実施しなければならなくなりましたので、誠に申し訳ございませんが、急遽ご注文および受付を一時休止させていただきます。
ご注文をお考えいただいていたお客様には、多大なるご迷惑をお掛けいたしますことを深くお詫び申し上げます。”
という不具合の案内をトップページに出しているだけのため、人がなくなっているのに、機械の不具合とは何だと、この会社の良識を疑うというような声もかなり飛び交っています。

 京都新聞の記事によれば、大型プリンタのローラー交換を、機械の稼働中に行い、リフトに挟まれて亡くなられたというような内容になっていましたが、はて、大型プリンターでローラー交換? など?が幾つもあって、インターネットでは事故の推量が飛び交っていました。どうも、平台の印刷機で、デリバリーの部分での事故ではないかという意見がありましたが、事故現場を見た人の話ではないので、なんとも言ういようがありません。しかし、亡くなられたことだけは事実なので、またまた、3K印刷業の実態の一部が露呈したかという気になってしまいました。

 あまりよくは知らなかったのですが、この会社、24時間体制での工場稼働のようですね。営業時間は9:00~21:00(平日)、土日祝日も受け付けており、まぁ、WEBでの受注を考えれば、そんなものなのかとは思いますが、制作を考えれば、どれだけの人が、どんな勤務スケジュールで作業をしていたのか、疑わざるを得ません。

 安価・短納期でとなれば、結局、行きつくところ、人件費を安く抑え、稼働率を無理に上げるというようなことしかなくなるのは目に見えています。

 なぜなら、受注する仕事のほとんどが、多くの印刷会社で出来ることだからです。

 安く、早く、となれば、無理に人を使い、無理に機械を回すということに必然的になります。

 30年ほど前、某情報機器会社が発売した漢字ページプリンターなるものを文字校正用のゲラプリンタに使っていたことがありますが、夜中の2時ごろ、機械の調子が悪くなり、仕方なく一人で、前蓋を開け、機械を稼働させながらドラムの回転の様子や、紙の搬送の様子を見ていた時、何気なしに、ドライバーを搬送用のチェーンに引っかけてしまい、アッと思った時には、ドライバーごと腕を奥の方に持っていかれて、あわやと思ったことがあります。

 お陰様で、その時は、ショートして電源が落ちたので、機械が壊れただけで済みましたが。

 この機械は、A4単ページのものなので、小さい方なのですが、腕を持って行かれた時の力は、相当なものでした。

 この時のことを考えれば、菊全サイズの印刷機などは、どの部分の搬送系であっても、その力は、人間がどうのこうのできるなんていうことはあり得ないのですから、亡くなられた方の恐怖を考えると、心が痛む思いです。

 今回の事故を労働基準局がどうするのか?

 印刷現場美限らず、自動車のプレスなど、過酷な現場作業は、もしかしたら、昔とそんなに変わらないのでしょうかね。

 プリントパックで亡くなられた方は、2月に入社されたばかりで、まだ、26歳という若さの方だそうですが、本当に、死亡につながるような現場環境(労働時間、人員配置、作業環境)だったのでしょうか? 実態の解明が是非望まれます。

 就業が困難になればなるほど、仕事があるだけで幸いだという負の意識で雇われる場合が増え、劣悪な環境に従わざるを得ないということが増えて行きそうで、事故原因はオープンにされるべきでしょう。

 インターネットの投稿記事の中には、亡くなれた方が、二日酔いで云々などといったことを書き込む人もいましたが、たとえそうであったとしても、具合が悪くても休めない、言い出せない、あるいは、事故に対する安全管理をしないといった、会社サイドの問題だという気がして仕方ありません。

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  • プリントパック その後

    Excerpt:  どうも印刷通販のプリントパックで起こった死亡事故に関して、同社のホームページでのお詫びの文言が、単に印刷機の不具合でしかないような書きかたをしていることに違和感を感じる人が多いようで、4月ともなり、.. Weblog: 遍照金剛 racked: 2010-04-02 18:18