同和と銀行

 「同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録」(森 功 著/講談社 刊)は、日ごろ、お世話になり、いや収奪されているのかもしれない銀行という組織が、まさに、白竜などの漫画が描く世界が、本当であるかのように思わせる現実の姿を描いている驚愕の本と言えます。

 元山口組系暴力団にいた小西が、暴力団にいるよりも”しのぎ”が稼げることが分かり、同和行政にその活路を見出し、なかんずく、旧三和銀行との結びつきを強めていくことで、巨額の金を動かしていく姿が赤裸々に描かれていました。

 この三和銀行で、小西が理事長をしていた飛鳥会の担当課長であった岡野氏が著者に語った、銀行の裏の姿を浮き彫りにしています。

 伸長が180cmを越え、100Kはあろうかという小西の傍若無人の振る舞い、それにきゅうきゅうと応じる銀行。まさに、金の亡者が、不動産投機に狂奔し、裏社会と密通して行く姿は、銀行という得体のしれない、もしかしたら、銀行の存在基盤その物に、不実な要素が内包されているのではないかと思ってしまいました。

 岡野氏が、はじめて、小西の担当となり、入院していた病室に支店長と挨拶に行った時のシーンから、このこの小西なる人物の恐ろしさがうかがい知れます。

 100億の融資で、80奥の返済をなしにするという関係。

 融資に対する返済利子を勝手に変更し、銀行が、そのままチェック部門を通すという不明朗性。

 飛鳥会に行員を派遣し、入出金の作業を行っていたという実態。

 自殺者も出した逮捕劇。

 しかし、銀行、暴力団、警察、政治と、実は、小西が死亡したということを考慮しても、この闇へのメスをやめてしまった背景に、権力者たちの、ネットワークを見てしまいます。

 貸しはがし、貸し渋りで中小企業を痛めつけていながら、このような裏仕事を行っている銀行というものに対し、今でも、このような関係が継続していると思わざるを得ないと思うと、なんだか、やるせなくなってしまいますね。

 公益法人に巣くう、多くの闇を含めて、白日の下にさらけ出せるように、民主党政権はやってもらいたいものです。

 一見、正義を謳っている組織には、注意しないといけないなぁという気がしましたし、政治家ととの結びつきを言うものを考えると、民主党のいう議員立法への対応ということにも一理あるのではないかという気がします。

同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録 (現代プレミアブック)
講談社
森 功

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高度経済成長期からバ ...
バブルに狂った巨大銀 ...
これは銀行暴露本の類 ...
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