書肆ユリイカの本

 「書肆ユリイカの本」(田中 栞 著/青土社 刊)は、「書肆ユリイカ」が出版していた本について、造本に関して調べ上げている、ちょっと変わった本です。

 本を開ける前は、”書肆”って何て読むんだっけ、意味は何だっけと思い、一体何が書かれているのかと思っていました。

 読み始めると、それは、「書肆ユリイカ」が世に出してきた様々な本の造本、すなはち、表紙、扉、奥付などを写真入りで紹介・解説するものでした。

 ”書肆”は”しょし”であり、本屋さんなんですね。今、青土社が出している「ユリイカ」は、もともとはこの「書肆ユリイカ」によるということなんでしょう。

 昭和21年、前田出版社というところから「二十歳のエチュード」(原口 統三 著)は出版されたということがわかりました。私が読んだのは、おそらく、角川か筑摩あたりの再版だったんでしょう、きっと。

 その前田出版社をやめた伊藤さんという方が、「書肆ユリイカ」を起こしたのだそうです。

 この本に掲載されている、その出版された本の表紙の写真を見ているだけでも、味のある造本が多かったんだなぁと、しげしげと眺めてしまいました。


書肆ユリイカの本の作り方
初期の造本スタイル
繊細な詩集群の誕生
手工芸作品のごとき書物制作
画とのコラボレーション
『ユリイカ』 の表紙絵
ふたつの 『ユリイカ』
有名画家の展覧会
美を体感する人
 *
書肆ユリイカの中村稔の本
田中清光と伊達得夫



書肆ユリイカの本を図書館で閲覧する
国立国会図書館
 ユリイカの出版物の国会図書館への納本状況
 国会図書館所蔵本の図書についての発行状況と納本状況
東京都立中央・多摩図書館
神奈川近代文学館
日本近代文学館



書肆ユリイカの本を調べる
一 前田出版社はいつまであったか
二 伊達得夫と 『二十歳のエチュード』 の出版
三 長岡輝子 『詩暦』 の発行年
四 様々な造本の田中清光 『立原道造の生涯と作品』
五 牧野信一 『心象風景』 の謎
六 『現代詩全集』 の発行年月日
七 シリーズ企画の出版
 1 「ユリイカ新書」
 2 「双書 種まく人」
 3 「アルビレオ叢書」
 4 「海外の詩人双書」 と 「今日の詩人双書」



書肆ユリイカの本を買う
蒐集事始め
古書買いの深みにはまる秋と暮れ
『二十歳のエチュード』 を求めて
コレクション展をきっかけに
ヤフオクの危うさ
ついに明治古典会の七夕入札へ
取りあえず買う
愛書家垂涎! 特装版いろいろ
異版の森へ
著者署名入本の魅力
古書店とのつきあい方
ここ数年の購入状況
古書蒐集の強い味方


あとがきにかえて 「書肆ユリイカの本を調べる」 番外編


書名索引
人名索引


書肆ユリイカ出版物総目録
 単行本、叢書類
 雑誌


 この目次を見るだけでも、様々な角度から多岐にわたる話が書かれているので、いささか、読むにはつらい気がしましたが、逆にいえば、このような視点から述べられているのも珍しいので、本好きな人には面白いかもしれませんね。

 造本、装丁という本が持つ独特の表情を、今後の電子ブックでは、どう扱っていくのか、心配になってしまいました。

書肆ユリイカの本
青土社
田中栞

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