オランウータンのジプシー

 ★第55回(2009年度)青少年読書感想文全国コンクール<小学校中学年の部>という赤い帯がついていたので、これまで手にとって見なかったのですが、表紙のオランウータンの表情に惹かれて読んでみました。「オランウータンのジプシー」(黒鳥 英俊 著/ポプラ社 刊)という本です。

 この本は、多摩動物公園に住んでいるオランウータンの飼育係として赴任した著者とオランウータンたちとの交流を描いています。

 読み始めて、あ、そうなんだと思ったのは、オランウータン(マレー語で森の人)というのは、ボルネオ島スマトラ島にしかいないということでした。熱帯地方ならどこにでもいると思っていたので、どうしてなのかなぁと思ってしまいました。そして、この本の主人公であるオランウータンのジプシーは1955年生まれで、50歳を超えており、50歳を超えているオランウータンというのは珍しいということでした。なぜなら、オランウータンの寿命は、おおよそ50年なのだそうです。本の中では、途中で多摩動物園に来たモリーばあさんというジプシーより年上のオランウータンの話も出てくるのですが、現在の多摩動物園の住民紹介には出てきていないので、どうしたんでしょうか?

 さて、多摩動物公園には、この雌のジプシーとジプシーの子供と孫を核としたt集団を形成しています。

 著者に言わせれば、ジプシーというスーパーおばあさんと著者が、いかに心を通わせあったかということ、そしてジプシーの知恵の高さを証明する出来事が次々と紹介されて行きます。

 優しく、知恵のあるジプシーは群れをまとめ、みんなの面倒を見ていきます。そして、いろいろなことに興味を持ち、実行して行きます。

 ほうきで掃いたり、ぞうきんを絞って拭いたり、ハーモニカを吹いたり、道具を使いまるで人間と同じようなことを行います。驚いたのは、ヨーグルトにジュースを混ぜて、ドリンクを調理(?)するという話です。著者のすることをまねしながら、それが自分自身にどういう結果をもたらすかということを理解しているかのような能力を見ていると、もしかして、話が出来れば、もっと理解が深まるのではないかと想像してしまいました。

 特に、スカイウォークという15mもの高さに張ったロープを渡って、既存の居住地と飛び地の除去を結ぶ新しい施設を設けるという大きなイベントに係るジプシーと著者とのこころの会話は、読んでいてハラハラしてしまいました。

 この本を読み終えて、人間とオランウータンとの間には、あるいは、人間と動物の間には、言葉ということではなく心を直接的に通じ合えるものがあるのではないかよいう気になってしまいました。人間は、その能力をなくしてきてしまったんではないかなぁという気がします。

 オランウータンの研究というのは、あまり知らなかったのですが、久世濃子さんという研究者の方のサイトがありました。




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岩波書店
鈴木 晃

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