黒猫メメ

 「神楽坂の親分猫 (黒川 鍾信 著/講談社 刊)には、”オヤビン”と読み仮名がふってあり、何だろうと思いました。

 表紙に描かれていり黒猫が、この本の主人公です。黒猫なんですが、アメリカンショートヘアーだという珍しい種類なのだそうです。

 名前は”目目(メメ)”という雌猫です。

 この本は、メメが飼われることになった特別な旅館の宿泊客と女将さんたちの交流を描いています。

 知らなかったのですが、この旅館和可菜(わかな)の女将さんは、女優木暮美千代さんの妹さんであり、この地で半世紀を超える旅館ということでした。

 この旅館が、特色あるのは、多くのもの書きたちに愛され、野坂昭如といった小説家から、山田洋次といった監督などが、ここに長期滞在して仕事をしたということにあります。

 たとえば、「嵐を呼ぶ男」や、「寅さん」シリーズの多くがここでで書かれたなど、たくさんの名作、ヒット作がこの旅館から生まれたのだそうです。

 この旅館の女将さんは、”映画界、文壇支えた女将 ”ともいわれるそうで、このあたりのことは、同じ作者(女将さんの甥っ子)が、「神楽坂ホン書き旅館」(NHK出版 刊)で描いています。

 この旅館も、女将さんも、幾度となくテレビや雑誌に取り上げられていたそうなのですが、記憶にありません。なので、いろいろな作家が仕事場として”勉強(仕事)”しており、へぇ~という連続でした。

 そして、この旅館の、もう一つの特色であります、猫を中心とした存在というものに焦点を合わせて書いてあり、いかに、お客さんが猫好きなのかが、この旅館の主であるメメを通じて描かれていました。

 何しろ、猫好きでなければ、この旅館には宿泊できないのだそうです。

 そして、この旅館では、”先生”と呼ばれるのは、猫が認めてからなのだそうです。

 5年、15年して、ようやく猫に認められ、”先生”と呼ばれるようになった人もいるとのことで、そこまで、徹底しているかと感心してしまいました。

 ただし、山田洋次監督だけは、最初に宿泊した日から、猫が布団にもぐりこんで一緒に寝たそうで、その日から”先生”なのだそうです。

 何しろ、猫とのかかわりの仕方で、人間性を計られる厳しくも美しい話に満ちています。

「猫生(じんせい)」、まんざら捨てたものではありません。
後期高齢猫になってから町のシンボル・キャットとなった『神楽坂ホン書き旅館』の黒ネコが語る、色町の今昔物語

と本の紹介にあるように、メメとの関係で待遇が決まったような感じです。

 このメメも亡くなり、代替わりでモモが、最後に紹介されていました。

 私としては、この”モモ”の方が、なんとなく好きですが、まだ子供で、男の人が苦手なのだそうです。いつになったら認められるのか。

神楽坂の親分猫
講談社
黒川 鍾信

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神楽坂ホン書き旅館 (新潮文庫)
新潮社
黒川 鍾信

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