生物と無生物のあいだ

 「生物と無生物のあいだ」( 福岡 伸一 著)は、講談社の無料冊子『』に連載されていた「生物と無生物のあいだ」を読んでいたので、出版されるのを知っていました。

生物と無生物のあいだ


 発売後、色々なところの書評で好評なので、読んで見たいなと思っていた本の中の一つでした。今日、ようやく読むことが出来ました。

 読んで、まず驚いたのが、自分自身のあまりにも無知なことです

 よく中学、高校、大学と英語を習っても、英会話が出来ないなどということが言われます。これをみると、問題は、英会話だけのようで、他のものは大丈夫なような印象です。しかし、これって、よくよく考えると、英語を商売とする人たちの売り言葉でしかないですね。生物にしても、物理にしても、数学にしても、実は、よくはわかっていないということに気づくはずです。

 社会に出て、仕事と関係がなくなれば、基本的には、学校で学習したことは忘れてしまいますよね。そういう意味では、英語ができなくったって当たり前ということになります(言い訳?)。

 前振りが長くなりましたが、この本を読んで、細菌ウィルスDNAなどについて、全く知らなかったんだと、あらためて、認識させられてしまいました。

 この本の書評に関しては、あちこちのブログで論じられていましたので、私なりに、気になった点を書き留めたいと思います。

 まず驚いたのが、野口 英世に関する記述です。

 現在、野口 英世の研究成果は、ほとんどが否定されているということです。え~でした。

 数年前、野口 英世がお札の絵となった時に、ロックフェラー研究所に日本人旅行客が沢山訪れ、銅像の前で記念写真を取る人が増えて困ったそうです。なぜなら、野口 英世の業績は、評価を落としており、野口 英世の書いたものなどは、ほこりをかぶって倉庫に入れられているというのが現状だからということでした。

 ペンシルバニア大学のフレクスナー教授の言葉を真に受けてアメリカに渡ってしまったということで、お荷物のようなものだったみたいですね。しかし、フレクスナー教授は、かなり、野口 英世を庇護してくれたみたいでした。

 映画「遠き落日」でも、野口 英世の女性を巡るドラマを描いている(著者がそういう作家だということを差し引いても)ということで、これまでの野口 英世象とは異なるものだったそうですが(見てないので知りませんでした)、野口 英世の業績に関しても、世界的に、評価されていないばかりか、捏造に近い扱いを受けていることを知って、びっくりしてしまいました。

 野口 英世の黄熱病など、もう、とてつもなく偉い人だと尊敬していたのですが.....。

 ただし、野口 英世が細菌を探していた時の光学顕微鏡では、ウィルスというものは見えないので(電子顕微鏡が出来て初めて見えるようになった)、ある意味、仕方のないことだったのかもしれませんがね。

 実は、ウィルスというのを、私は、てっきり生物だと思っていましたが、代謝を一切しないばかりか、自分だけでは自己複製できずに、最近に寄生しないと駄目だとか、どうも、無生物のような感じなのだそうです。

 ここから、生命とは何か、生物と無生物の違いは何か、といった主題になって行きます。

 DNAの発見から、一部遺伝子を欠損(取り除く)させて作成したノックアウトマウスを調べると、本来欠損させた、遺伝子が司る機能が正常でないマウスとなるはずが、正常のマウスと変わらないという不思議な結果となってしまったそうです。

 つまり、何かしら、生命というダイナミズムの中では、その欠損をカバーしてしまうことが行われてしまうということが起こるんだそうです。遺伝子ですべてが分かると思っていたことが覆されてしまったということになります。

 ところが、この個体に、欠損した(完全に取り除くのではなく、遺伝子のある部分がない不完全な遺伝子)を入れると、おかしくなるということが分かったそうです。

 つまり、沢山の遺伝子というパーツがあり、一部のパーツがなくなっても、その機能はカバーされるが、傷ついたパーツが含まれていると障害を起すということらしいです。

 著者は、このようなことから、”生命とは動的平衡(ダイナミック・イクイブリアム)にある流れである”と定義しています。

 この本を読み終わって、本当に、知らないことが多いものだなぁと驚いてしまいました。

 目次は以下の通りです。

ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
アンサング・ヒーロー
フォー・レター・ワード
シャルガフのパズル
サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
ダークサイド・オブ・DNA
チャンスは、準備された心に降り立つ
原子が秩序を生み出すとき
動的平衡とは何か
タンパク質のかすかな口づけ
内部の内部は外部である
細胞膜のダイナミズム
膜にかたちを与えるもの
数・タイミング・ノックアウト
時間という名の解けない折り紙
生命とは何か? 極上の科学ミステリー。
生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない!?


 福岡研究室を覗いてみるのも面白いかもしれません。

合掌 by 遍照金剛


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
講談社
福岡 伸一

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