「愛」という言葉を口にできなかった二人のために

 <「愛」という言葉を口にできなかった二人のために>(沢木 耕太郎 著)。

 著者曰く、「映画に対するエッセイではなく、映画を見たことで触発されたことを書いたエッセイ」とのことです。

「愛」という言葉を口にできなかった二人のために


 終わりの言葉に、長い題名で申し訳ないと謝っています。確かに、本屋さんで聞くにしても、長いのでいいにくいとは思います。

 それで、この本、エッセイを集めたものなので、すべてのエッセイに関して述べるわけにはいきませんが、このエッセイの基調にある発想は、ある小説家から、「愛」ということを言ったことがありますか? という問いかけをされたことにあると述べています。

 著者は、「」ということを口に出来ない年代に属しているそうで(同じ年生まれなので、私もそうなるんでしょうね)、言ったことはないそうです。

 最初の話は、「ブローク・バック・マウンテン」の話です。

 映画「ブローク・バック・マウンテン」。Yahooの映画紹介には、『1963年の夏。ワイオミング州のブロークバック・マウンテンでイニス(ヒース・レジャー)は羊番の仕事を始める。たまたま一緒に組んで仕事をしていたジャック(ジェイク・ギレンホール)との間に友情が芽生えるが……。』とあります。

 この出会いから、20年間、お互い結婚し、妻子がありながら、ブローク・バック・マウンテンで「」を確かめ合います。保守的なアメリカ西部での二人の「」の姿を描いています。

 著者は、原作者が「アニー・プルー 」という、若くはない女性であることに驚いてぃます。

 この映画の中で、二人は、決して「」とは言っていないそうです。

 このように、「」とは言わないものが映画には多く、例えば、「ローマの休日」でも、「」と言う言葉はないそうです。

 「愛」という言葉を言わないことで、かえって高まる「愛」。

 私たちに、もし、あの時、「」ということを口にしていたらと思う気持ちがある限り、このような映画はなくならないだろうと書いていました。

 映画は、同性愛の映画ということですが、「」というものを「感じる」のに、異性も同性も無いということでしょうか。

 このように、32編の沢木 耕太郎節が続きます。

*2007/4/20

 帯にある言葉、

言いたかった.....

でも

言えなかった。


ありますね。

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